言語聴覚士の仕事をしていて、「もうSTを辞めたい」と考えてしまうことは誰しもあると思います。
しかし、もし辞めたとしても
「辞めた後なんの仕事をしたらいいのか」
「苦労して取得した資格やこれまでの経験がムダになってしまうのではないか」
「もしまた言語聴覚士に戻りたくなったら・・・」
と不安になりますよね。

実は私、言語聴覚士歴14年のキャリアの中で、STを辞めた期間が2回あります。
そしてブランクを経て復帰し、今もSTの仕事を続けています。
そんな私の体験談も含めて、
・言語聴覚士(ST)を辞めた後どんな選択肢があるのか
・言語聴覚士(ST)の資格と経験を活かす方法があるのか
・それぞれのメリットやデメリット
・またSTに戻る事が出来るのか
についてお話していきます。
言語聴覚士を辞めたいと考えている人、言語聴覚士以外の選択肢を知りたい人はぜひ読んでみてください。
私が言語聴覚士(ST)を辞めて体験した仕事
1.飲食店でアルバイト
一時だけでも完全に臨床から離れたいと思い、言語聴覚士とは全く無関係な飲食店でアルバイトをしました。学生時代にも飲食店でアルバイト経験があったため、抵抗なく始められました。
◎メリット
・プレッシャーや責任から完全に解放され、気持ちに余裕が出来た。
・冷却期間を得たことで、『STも悪くなかった』と思えるようになった。
△デメリット
・収入が激減した。
・休みが不規則になったことにより予定を立てにくくなった。
2.派遣介護員
言語聴覚士としての自信を失っている時期ではありましたが、高齢者の方と関わり力になりたい気持ちはあったためインターネットで介護系の派遣サイトに登録しました。
そこで、言語聴覚士の資格を持った上で介護の仕事をしてみたい旨をエージェントに相談し、認知症者専門のデイサービスに派遣が決まり働くことになりました。
◎メリット
・職場で変に責任を感じすぎることがなく、ストレスが少ない。
・もし職場が合わないと感じても、エージェントから伝えてもらえる事や、契約が3ヶ月ごとの更新だったため気が楽だった。
・残業がほぼないため私生活が充実した。(職場や派遣会社との契約内容にもよる)
・実際はSTの経験を活かせる場面も多々あり、徐々に自信を取り戻すことができた。
・派遣先で、機能訓練指導員として正社員になる提案をしてもらえた。
・介護士の技術や視点や学ぶことが出来た。
△デメリット
・ボーナスが出ないため年収は減少した。
正直、当時の私にはメリットしか感じられませんでした。
『言語聴覚士の仕事はしたくないけど、いつでも戻れるくらいの距離には居たい』
そんなわがままを叶えてくれるような環境で、とてもありがたかったです。
言語聴覚士を辞めた後の選択肢
言語聴覚士を辞めた後も資格を活かせる仕事が良いのか、まったく別の業種に挑戦したいのかに分かれると思います。
いますぐ決めることは難しいと思いますので、どんな選択肢があるのか紹介しますのでチェックしてみてください。
◎全く別の仕事に挑戦する
言語聴覚士とは全く関係ない一般企業に就職を考えるなら、ワークライフバランスに応じて、フルリモートやフレックスタイムなど、ST時代には出来なかった働き方も経験出来るかもしれません。
しかし、新しい業種に挑戦するには、出来るだけ年齢が若いほうが成功しやすいので早めに検討することをオススメします。
◎メリット
・働き方の幅が広がる
・年収アップを狙える
・社会人としての経験値がアップする
△デメリット
・慣れるまで大変
・言語聴覚士に戻りにくくなる可能性がある
しかし、そもそもどんな仕事があるのか、自分に合っているのか、今から未経験のことに挑戦する不安など、独りでは解決できないことが多いと思います。
失敗したくない、どうせなら今よりも良い労働条件で働きたいという気持ち、とてもよく分かります。
これらの不安を解消するには専門家に相談することが一番の近道になります。
未経験者専用の転職支援サービスに登録すれば、不安や希望はキャリアアドバイザーに相談することが出来るので、転職活動がぐっと楽になり、失敗しにくくなります。
全く違う職種でも、ST時代に培った社会人としての能力は必ずあるはずです。それをアドバイザーが客観的にあなたを評価し、向いている職種を見つける手助けをしてくれますよ。
もし悩んでいるなら、無料のカウンセリングだけでも受けてみましょう。新たな選択肢が見えてくるはずです。
◎言語聴覚士の経験や資格を生かす
1.介護や医療に携わる、別の資格に挑戦する
- 介護福祉士
- 看護師
- ケアマネージャー
- 生活相談員 など
今までのキャリアを完全にリセットする事に不安や心残りがある場合は、以上のような職種に挑戦するのはいかがでしょうか。
「高齢者と関わる仕事をしたい」「困っている人の手助けをしたい」という思いがある方にはオススメの職種です。
言語聴覚士の知識や経験を活かすことも出来ますし、ST免許を持っているという肩書きが就職する際にも大きな武器となるでしょう。
◎メリット
・今までの言語聴覚士の経験が活きる
・言語聴覚士に復職したくなってもブランクを感じにくい
△デメリット
・夜勤など慣れない労働環境になる可能性
・資格取得まで時間がかかる
2.補聴器専門店や一般企業で言語聴覚士の仕事をする
言語聴覚士の資格や経験を活かしながらも、これまでとは全く異なるフィールドで働いてみる選択肢もあります。
補聴器専門店では聴力検査や店頭での接客の他に、営業をしたり耳鼻咽喉科医と連携しながら聞こえのリハビリを行ったりします。
また、求人は稀ですが一般企業に勤め、言語聴覚士の資格と経験を活かして商品開発に携わったりすることもあります。
新たなやりがいや楽しさを感じられるかもしれません。
◎メリット
・言語聴覚士と一般職のいいとこ取りが出来る
・特殊なポジションが強みになる
△デメリット
・求人数が少ない
・先駆者が少ないため教えてくれる人も少ないorいない
3.復業しながらSTを続ける
リハ職にも派遣やパート、非常勤など、意外と働き方は様々あります。
働く時間を短くしたり日数を減らして、その他の時間は他の仕事や趣味に当てるという選択肢もあります。
あんなに辞めたいと思っていたSTの仕事も、ゆっくり働いてみると「案外悪くない」と思えたり、責任やプレッシャーから解放されることで、気持ちに余裕が出て楽しめたりします。
特にSTはPT・OTと比べて人数が少ないため需要も高く、好条件・高収入の求人も多数あるようです。
人間関係もそこまでこだわる必要もないので気楽です。
◎メリット
・余裕を持って言語聴覚士の仕事ができる
・人間関係が楽になる
△デメリット
・年収が減る
・深い人間関係は築きにくくなる
言語聴覚士の仕事に戻りたくなったら
結論から言うと、資格がある限りいつでも復職することは可能です。むしろこれは、資格保有者の特権と言えます。
しかし、復職することは可能ですが、全く違う業種で働いた場合と介護や医療など近いところで働いていた場合だと、精神的なハードルの高さは違います。
全く違う業種からSTに復職する場合、
・疾患や評価方法、訓練手技など一通りおさらいをする必要がある
・慣れるまで大変
・年齢や経験年数の違いから職場での立ち位置が微妙になる
などのネガティブ要素が目立ってしまいます。
しかし私も経験したように、職場選びを間違えず、しっかり覚悟を持って臨めば決して超えられないハードルではないので、必要以上に恐れることはありません。

介護や医療関係から復職する場合も、上記のような不安はあるかもしれません。
しかし私の経験では、少しでも高齢者や疾患に日々関わりがあることで、復職後も仕事へのギャップはそれほど大きくは感じませんでした。
むしろ、新しい視点や客観的な考え方が出来るようになっていたため、以前よりもSTの仕事の質が上がったように感じました。
ブランクの乗り越え方
ブランクをもって復帰する場合、覚悟だけではなく職場選びがとても重要です。
自分に合った働き方や職場でなければ、負担が大きくなってしまい挫折の原因になりかねません。
ブランクを乗り越えるために、私が実際に異業種から復帰する際に行った事とやれば良かった事についてお話ししていきます。
1.自己分析をし、理想の働き方を明確にする
復帰する職場を選ぶ前に自己分析をし、自分のこれまでの職務経歴を振り返ることをオススメします。
どんな疾患の患者が多かったか、得意なのは嚥下か言語か、苦手だった業務、職員の規模とそれが合っていたのか、等を考えてみましょう。
そしてそれを基に、今後自分がどのように働きたいかを給与や休みの取りやすさ等も含めて明確にします。
自分の強みや価値観を理解することで、どんな職場なら復帰しやすそうか、復帰したいと思えるかの判断材料になります。
職場に納得していないと、ブランクを乗り越える以前に心身への負担が大きくなってしまいますから、慎重に判断しましょう。
2.学会や研修への参加
復帰前であっても、可能な範囲で学会や研修に参加しておくこともオススメです。
新しい知識や技術を学ぶスキルアップの意味もありますが、どちらかと言うと、頭の中を言語聴覚士バージョンにシフトチェンジするきっかけになると、個人的には思っています。
正直、職場に復帰すれば時間の経過とともに、徐々に感覚や当時の記憶を取り戻せるものです。
事前に少しでもシフトチェンジできていれば、復帰した際のギャップやついていけない感を軽減させることができます。
3.柔軟な働き方をする
もし、どうしても不安が大きい場合は、まずは派遣やパートなどで復帰してみるのも手です。
あまり知られていませんが、言語聴覚士にも意外とパートや派遣のお仕事があります。
・少しずつ慣れていきたい
・続けられそうか見極めたい
・実務経験を積んでから正社員になりたい
そんな人にはオススメの働き方です。
4.転職支援サイトの活用
もし自分一人で判断することが難しいと感じた場合は、リハビリ職専門の転職支援サービスの利用もオススメです。
前述にあるとおり、ブランクを乗り越えるためには職場選びに失敗しないことも重要なポイントの一つです。
業界に理解のある人に、無料で相談しながら復帰をすすめられるのはかなりお得です。
・自分の強みを客観的に評価して欲しい
・業界に詳しい人に相談しながらすすめたい
・自分に合った働き方や職場を知りたい
そんな人は、まずは登録だけでもしてみましょう。
いろんな選択肢を知るだけでも、復帰への第一歩になります。
言語聴覚士を辞めたい人に伝えたいこと

どんな職業でも、仕事をしていると「辞めたい」「向いてないのかな」と考えることはあると思います。
しかしそれは仕事にしっかりと向き合っているからこその悩みです。
この考えが頭によぎった時は、今度は自分自身と向き合うタイミングだと、私は思っています。
言語聴覚士を辞めるのも続けるのも立派なことです。
ただ私は、自分がしたような後悔や失敗を皆さんにはして欲しくないので、この記事を通していろんな選択肢があるのだと理解してもらい、転職に前向きに向き合って欲しいと思います。
まとめ
- 言語聴覚士の資格を活かして働くなら、派遣やパートといったゆるく働く選択肢もある。
- 補聴器専門店、一般企業などでも言語聴覚士の資格を活かすことが出来る。
- 少しでも介護や医療の現場に携わっていると、STに復帰したくなってもブランクを感じにくい。
- 言語聴覚士を完全にやめても、未経験の業種への転職をサポートしてくれるサービスがある。
- 言語聴覚士はその気になればいつでも戻ってこられる。
- ブランクを乗り越えるポイントは、自己分析と職場選び
最後までご覧頂きありがとうございました。
saori

